New Newberrysound Vocal Clinic
Vol.2 グルーヴについて
先日、私の体験レッスンを受講された方から
今まで付いた先生や音楽関係の人から「良くウラを感じろ、とか、ウラを出せ」とか良く言われるのですが、
具体的な説明をして貰ったり、効果的な練習法を教えて貰った事がなく困っています。
という話を聞きました。
その体験レッスンの時に、私が思うグルーヴのイメージや具体的な練習法を生徒さんにご指導したところ、
「とても良く理解できました。と同時に声がとても楽に出る様になりました。グルーヴやリズムの取り方や感じ方ひとつでこんなに声の出方が変わるなんて驚きです」と言って頂けました。
リズムやグルーヴで悩まれている方に少しでもヒントになればと思い、そのイメージを書かせて頂きたいと思います。
私は「ウラ」とは表の対極にある「点」ではなく、「表ではない全ての部分」だと思っています。
子供の頃、縄の両方の端を人が持って廻して、ひとりづつ回っている縄に入ってピョンピョン飛んで遊ぶ縄跳びをした事があると思いますが...
ここでもしロボットが両端を持って正確なテンポで廻している縄に、ロボットなら毎回が完全に決まったタイミングで入っていける筈です。
でも人間は?
おそらくロボットの用に完璧に同じタイミングでは入れない筈です。
この場合、人間は正確無比なロボットやコンピューターには勝てません。
では、ここでひとつの縄跳びのルールを作りたいと思います。
縄が3回転している間だけ縄の中にいて、3回転後には縄から出る
そして、出来るだけ長く縄の中にいた人が勝者になるという
というルールを作るとします。
どうやったら勝者になれるでしょう?
そう単純に考えると、出来るだけ早いタイミングで縄に入って
出来るだけ遅いタイミングまで粘って縄の中にいる...だと思います。
このルールなら先程のジャストのタイミングで縄の中に入る様にプログラミングされたロボットに勝てる筈です。
ただ、縄に引っかかってはダメです。
その時点でゲームオーバー、すなわちリズムから外れたという事になります。
グルーヴとは、この縄跳びのロボットの様に、ピンポイントを狙う、のではなく、
例えば出来るだけ長い時間縄の中にいる、または短い時間縄の中にいる...そんな価値観での遊びの様なものだと思います。
ヒントにして頂ければ幸いです。
ニューベリーサウンド
チーフボイストレーナー 小泉誠司
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