New Newberrysound Vocal Clinic
Vol.9 「喉を開けなさい」という事...
ボイストレーニングで腹式呼吸はマスターした
また、カツゼツもディクションレッスン等で鍛えている
なのに「なかなか声が気持ち良く出ない」
... こんな悩みを持っている人が多いと思います。
それは...
どんなに腹式呼吸をマスターしても
どんなに滑舌を良くしても
実際声を出す時の肺や横隔膜の動きと喉を開くタイミングが合わなければ
声は出にくいからです。
ところで「肺から息が出るタイミングと声帯が開くタイミング」
という事に関して最近テレビの番組で大変興味深い番組を見ました。
それは「しゃっくり」に関してでした。
「しゃっくり」とは横隔膜の痙攣が原因...という話を聞いた事のある人は多いと思います。
番組では、しゃっくりを長年研究されている医師の方が登場、
独自の見解をシンプルに説明されていました。
普段は肺から息が出るタイミングと声帯が開くタイミングがあっているのが、
声帯の動作が誤動作してタイミングが狂いパニックになる、これがしゃっくりだと。
また何故、声帯の誤動作が起こるかというと、それは我々人間を含む全ての生物の進化にも関係すると、
すなわち、元々全ての生物は海の中で生活しており、その時は肺呼吸をしていなかった。
例えば、おたまじゃくし。
ご存知の様に、後に成長してカエルになりますが、
おたまじゃくしの時は水のなかで生活、その時はえら呼吸をしていますが
来るべきカエルとしての陸での生活のために肺呼吸のシステムも体の中で作っている。
ただ、水の中では肺呼吸出来ないので、水の中にいる時は、
「弁」をして水が肺の中に入らない様にしている。
声帯とは、この「弁」のなごりだという事です。
私は医師ではないので「しゃっくり」自体に関しての言及は避けさせて頂きますが
この話の中にひとつ良いヒントがありました。
それは喉を開け閉めしているのは「声帯」だという事です。
よく「喉を開けなさい」など先生に言われた事があると思いますが
実際には自分の体のどの部分をどうしたらよいのかが分からずに
「はい」と答えてしまっている、
また、具体的な場所ややり方を教えずに「喉を開けなさい」と
指導している先生がいる、
という事が多いと思います。
手で行う仕事を職業にする人は多いと思います。
プロとして極限まで自らの手の動きや感覚を鍛える筈です。
では、歌手や俳優や声優は?
肺や横隔膜、共鳴を起こすための顔や頭部
...いろんな箇所を鍛えなければいけませんが
直接的には「喉」すなわち「声帯」です。
「自分の声帯がどれくらい開いているか閉まっているか分からない」
... こんな事で本当にプロの仕事ができるでしょうか?
天才ならOKでしょうが、そうでない人はNOだと思います。
また「腹式呼吸もディクションレッスンもマスターしたが、声が出にくい」という人は
実際声を出す時の肺や横隔膜の動きと声帯が開くタイミングが合っていない可能性が高いです。
解決のためにやらなければいけない事は下記です。
• 声を出す時の肺や横隔膜の動きと声帯が開くタイミングを合わす練習
• 手の様に、自由自在に声帯を操れる様になるための練習
具体的な練習に関しては改めて、この「Newberrysound Vocal Clinic」もしくは
「ワンポイントレッスン 」 http://www.newberrysound.com/pg240.html で説明させて頂きます。
お楽しみにしていて下さい。
Sage Koizumi / 小泉誠司
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